公開日:2020年1月10日
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●お話
カーレース界でフェラーリが圧倒的な力を持っていた1966年、エンジニアのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)はフォード・モーター社からル・マンでの勝利を命じられる。敵を圧倒する新車開発に励む彼は、型破りなイギリス人レーサー、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)に目をつける。時間も資金も限られた中、二人はフェラーリに勝利するため力を合わせて試練を乗り越えていく。
~シネマトゥデイより~
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●感想
行きつけの映画館の割引券を貰い、
予告を見て面白そうだったこの映画にしたのですが、思ったより見応えのある映画でした。
特に見応えあったのは、
以下3点
●クリチャン・ベイルの役作り
●車の限界直前の見せ方
●あれ?池井戸潤が原作?(笑)
まずは役作り。
この映画は、
1966年の「ル・マン24時間耐久レース」で、当時連覇中の絶対王者だったフェラーリチームに対して無謀な挑戦を挑んだフォードチームの物語で、そのチームを牽引することになったのが、主役の二人、シェルビーとマイルズ。
シェルビーを「マット・デイモン」が、マイルズを「クリスチャン・ベイル」が演じているのですが、クリスチャン・ベイルの役作りは相変わらず命懸けで、この映画では30kgも減量しました。
でも、
そのお陰もあり、
左はクリチャン・ベイルが演じているケン・マイルズで、右は本物のケン・マイルズ。
・・・超そっくり
普段の顔はそこまで似てないけど、醸し出す雰囲気がそっくりで、演技に関しても、バットマンのブルースウェインとはまるで別の俳優みたい。
それをSMAPで例えるなら、
木村拓哉(ブルース・ウエイン)と、
草彅剛(ケン・マイルズ)を、
同一人物が完璧に演じ分けている。
・・・みたいな感じ。
車の限界の見せ方。
ル・マン24時間耐久レースは、
サーキットを24時間走り続けて何周走ったかを競うレースで、他のチームより1周でも多く走るため、車を限界1歩手前のスピードのままで24時間走らせ続けることが重要。
今のようにコンピューターがない時代だからこそ、上位チームともなるとレーサーもスタッフも超一流の職人揃いで、車の構造や限界をそれぞれが細かく把握して、ギリギリを見極めてピットイン出来るチームが多い。
だけど、レースには相手がいて、勝てなければクビになる(こともある)ので、時として限界を超え、壊れる覚悟で勝負を挑まなければいけない時もある。
そういう場面での、
このまま走り続けると、
「ああぁ・・・壊れちゃう・・・壊れちゃう、そろそろヤバイからスピード落とそうよ」
みたいなドキドキ感たるや。
それを、レーサーやスタッフの視点だけでなく、「車の視点」でも見せているような「瞬間」があって、車の映画はこれまでにいろいろ見ているけど、そういう見せ方をする映画を初めて見たので、そこがすごく新鮮で興奮した。
最後に、
原作は池井戸潤
(んな訳ねーよ)
もっと、NHKのプロフェッショナルみたいな、こんな改造するとこれだけ速くなるぞ!・・・的な物語かと思ったら、フェラーリやルマンの凄さを分かっていない上層部との戦いこそが優勝への鍵だったのね。
シェルビーとマイルズは、マイナーレースに参加する貧乏チームの監督と技術者兼レーサーで、シェルビーはルマンの優勝経験者だし、マイルズの技術者やレーサーとしての腕の高さは有名。それなのに、二人(特にマイルズ)の性格が災いして全くスポンサーがつかず、試合をするほど貧乏になり、破産寸前。
そんな二人が奇跡的にフォードのレースチームへ参加出来ることになり、フォード上層部の無計画な日程にも負けず、二人の努力で優勝を狙えるレベルに車も仕上げることが出来た。
・・・にも関わらず、
そんな二人を何度も何度もしつこく邪魔するお偉いさんがいる訳です。そんな上層部と戦う展開が、まるで「下町ロケット」でした。
フォードGT40。
この車の当時のルマンでの活躍は、まだ生まれてないから当然これまで見たことなかったけど、スーパーカーブームの世代なので存在は知っていたから、映画の中でフェラーリと戦うGT40には、とっても痺れました。
シェルビーコブラ427は大好きだけど、「シェルビー」って、人の名前だったのね。
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