1999~2000年にかけて、深夜のTBSで、全26話が放送されました。
海堂祐司(右)、マリーン・エンジェル(左)
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●お話と感想
海堂祐司の髪型が生理的にキライ(笑)。それに、昔の深夜アニメだからか、派手さが少なく地味なところも目立つ。でも、リアル系にありがちな、戦争と政治のアニメとは違い、ロボットアニメとしての視点がちょっと斬新なのと、楽しいピークが過ぎる前に次の展開に移る演出が巧くて、結構楽しめました。
これは、「怪獣VSロボット」をリアル系で描いた、チャレンジャーな作品。
でも、怪獣VSロボットを前面に押し出した作品ではなく、怪獣やロボットが当たり前に出てくる世界で、前半は旅が、後半は恋愛がメインの話。なので、賛否両論な中、賛が多いけど、たまに否もある。
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■ブルー(昆虫型の怪獣)
怪獣と言っても、大型犬サイズから、大きいのは象サイズくらいまでで、昆虫型のエイリアン・・・そんな見た目の、新種の生物。
これがブルーと呼称されている昆虫型の怪獣(の一部)。
序盤はなんだか、ロボットアニメ版スターシップトゥルーパーズを連想するけど、あんなにウジャウジャしていない。
左上のブルーが卑猥。
ブルーは雑食で何でも食べるけど、硬い物が好きなので都市を好む。人間は柔らかいので、ブルーの体液でこんな風に丸めて硬くして、すぐに食べる場合もあるけど、多くは保存食にされる。
ブルーにはちょーわかりやすい 弱点 がある。
コア(核)と呼ばれている赤丸で囲んだ場所の丸い部分。
そこに全神経でも集中しているのか、そこ以外はほとんど攻撃が効かないのに、そこにヒットすると一瞬で死ぬ。
でも、コアという言い方もそうだし、ブルーと戦う部隊の偉い人達はゼーレやゲンドウを連想させるし、チョコチョコとエヴァっぽい部分がある。
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■ロボット
ロボットは3~4mくらいで、見た目も機能も、パトレイバーとスコープドックの中間的なイメージ。
上の2つは、ハードマンのバッファロータイプ(左)とゴリラタイプ(右)。あくまでも雰囲気だけど、パトレイバー(左)とスコープドック(右)っぽい。序盤はこればっかりで、特殊な専用機はなく、量産タイプのみ。
下のはアーマーシュライク。何種類かある中で、これは後半に出てくる高性能タイプのダブルエッジ。
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■お話
海堂祐司は、2009年に世界中で流行した、後にB細胞と呼称されるウイルスに感染する。まだ発病はしいていないが、ワクチンが開発されていない新種のため、発病したら確実に死ぬ・・・と言われていた(実際は死なないみたいだけど)。そこで、スリーパー(冷凍睡眠患者)になる決意をする。この時点でワクチンの研究は動物実験まで進んでおり、数年後には完治した状態で目覚める・・・はずだった。
ところが海堂祐司が目覚めたのは2031年(あれから22年)。
目覚めた瞬間、目の前にはブルーがいて、海堂祐司を今まさに食そうと眼前まで迫っていた。そこを女性兵士のマリーン・エンジェルが乗るロボット(と、その部隊)に助けられる。
人類は地球をブルーに支配される直前、限られた選ばれた人達のみで地球を脱出し、巨大な住居型の人工衛星のいくつかをセカンドアースと名付け、そこに移り住んでいた。しかし、資源は限られるので、いつかは地球を取り戻さねばならない。様々な方法を模索する中、スリーパーとブルーの関係に目を付けた科学者がいて、スリーパーを研究するために回収部隊が地球に向かい、マリーンのいる部隊も、そうした部隊の1つだった。
ところが、次から次へと現れるブルーに、マリーンの所属する部隊の隊員は、次々ブルーの餌食となってしまう。
果たしてマリーンのいる部隊は、海堂祐司を無事、セカンドアースまで連れていくことが出来るのだろうか?
・・・みたいなお話です。
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■全26話が大きく4つに分類
●世界観説明(祐司が兵士になる)
スターシップトゥルーパーズっぽい。
日本から韓国へ行く。
●ロシアまでの歩き旅(マリーンが人になる)
結局生き残るのはユージとマリーンの2人だけ。
セカンドアース人は戦闘教育が主なので思考や感性がおかしい。マリーンの思考は特に機械的。
例えばセックスも、戦闘のストレスを発散するための行為と捉え、基本的に誰とでもする(でも、ユージとはしない)。
そんなマリーンも、ユージの不可思議な発言や行動に刺激され、少しずつ人間らしい感覚を得ていく。
●セカンドアース(祐司の覚醒)
実は、ブルーの正体は、B細胞ウイルス研究の実験動物が、遺伝子変化して誕生した新種の生物で、それが繁殖し、さらに進化したもの。
スリーパーも、B細胞ウイルスが活性化すると、筋力や五感が発達してスーパーソルジャーになることがわかっていて、ここではスーパーソルジャーの研究をしていた。しかし、その副作用で精神異常をきたすこともわかっていたが、それは隠蔽される。
●覚醒者同士の戦争
スリーパーの中でも、特に強い覚醒をしたのがトニーで、その次がユージ。ユージはトニーへの異常な負けず嫌いが発動し、それまで自分を犠牲にして弱い者を助けたのに、トニーに勝つためなら、何でも犠牲にしてしまう。しかし、その頃にはすっかり人間的な心を得ていたマリーンの愛で活性を抑え込むことに成功する。一方トニーは、B細胞保有者(スリーパーもブルーも)は、今の地球が生んだ、新たな地球の最上級種と考え、中でも一番優秀な自分が他を導くべき、という思考となる。そんなトニーをユージが止めるべく、戦いを挑む。
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このアニメ、元々作画はキレイな方ではあるけど、●3つめの「セカンドアース」から、作画のクオリティが凄くなる。特に最後の2話は凄い。
面白かったけど、個人的にはもっともっと怪獣らしい怪獣と、ガチンコで戦うロボットのアニメが見たいなぁ。