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●お話
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●感想
この4巻は、1~3巻までの、相麻菫が生き返るという1つの大きな物語が終わった後で、恐らく次の5巻から最終7巻までは、(まだ読んでないからわからないけど)また大きな物語が始まるはずなので、その大きな物語が始まる前の、小休止的な感じです。
短編集なので、3巻までのお話に比べると軽~~い読み応えの1冊で、ぶっちゃけ、4巻読まずに5巻を読み始めても支障はないけど
、これまでの物語を小さく補完するような内容になっています。
個人的には、春埼を主役にした2つのお話が、なんだかとても微笑ましくて好きなお話でした。浅田ケイと出会ったことで、彼女の中の何かが変化しようとしていて、これまでロボットみたいだった単純な思考が、小さいけど少しずつ変化していく、そんな過程が描かれています。
「目次」
●ビー玉世界とキャンディレジスト
浅田ケイと春埼美空の二人が高校生になり、一番最初に受けた依頼です。ある能力でビー玉から出られなくなった少女を、リセットを使い、ビー玉に入る前にそれを阻止する、という内容です。
管理局の依頼は「すぐにリセットして阻止しろ」ですが、浅田ケイはギリギリまで「なぜビー玉に入ったのか?」その原因を突き止めようとします。
●ある日の春埼さん~お見舞い編
春埼が、風邪で休んだ浅田ケイの、お見舞いに行くかどうかで悩む・・・というお話。
お見舞いがケイのプラスになるのかマイナスになるのかで悩み・・・結局行くことにして、一人暮らしなのでお粥を作ってあげるのは良いけど、土鍋まで持参するところが春埼らしい。行く道中も延々悩みながら家に向かい、途中デザートを買おうとお店に入るのだけど、春埼の中では「お見舞い=桃」なのに桃のデザートがなく、桃じゃなくても・・・という店員さんと、桃以外はお見舞いじゃない・・・というやり取りが春埼らしく、なんだか微笑ましくて笑えます。
●月の砂を採りに行った少年の話
猫と通じ合う能力を持つ野ノ尾と仲良くなった少年が、月に行くと言い残して消息不明になった。リセットで、その少年が月に行く前に、それを阻止するというお話。例によって浅田ケイは、その少年が月に行こうとした理由と、少年の能力を調査します。
●ある日の春埼さん~友達作り編
浅田ケイから、君には友達が必要で野ノ尾さんがおススメだよ・・・と(どこかのエピソードで)言われ、言われるままに野ノ尾さんへ会いに行き、ありのままを伝え、とにかくまずは話をしてみる・・・というお話。二人とも思考がちょっと変わっているので、そんな二人の会話が楽しいし、二人の会話の1つ1つに、春埼の解説(独り言)が入り、それがまた楽しい。それにしても、話してみると嘘みたいに相性が良い春埼と野ノ尾。二人はきっと良い友達になれるでしょう。
●さよならがまだ喉につかえていた
相麻菫が亡くなった少し後の、主人公二人がまだ中学二年生の頃のお話で、春埼がなぜ、浅田ケイが発言しないとリセットできなくなったのか?その謎が描かれています。
●特別収録 ホワイトパズル
浅田ケイや春埼美空など、いつもの登場人物は一切登場しません。
とある少年と、今は誰も住まなくなったお屋敷の幽霊少女との、長い年月を掛けて育くんでいった、不思議な淡い恋のお話。