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●お話
不慮の事故で夢を断たれた元・戦闘機パイロット・空井大祐。異動した先、航空幕僚監部広報室で待ち受けていたのは、ミーハー室長の鷺坂、ベテラン広報官の比嘉をはじめ、ひと癖もふた癖もある先輩たちだった。そして美人TVディレクターと出会い…。ダ・ヴィンチの「ブック・オブ・ザ・イヤー2012」小説部門第1位のドラマティック長篇。
~BOOKデータベースより~
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●感想
偶然だけど、64に続いて、広報室が舞台のお話。
同じ広報室が舞台なのに、警察と空自では、
(当たり前だけど)
現場と広報室の関係や、仕事の内容とか、全然違うよね。
しかも64は、主人公が広報室にいることを
逆手にとったような内容になっていたけど、
この空飛ぶ広報室は、いかにも王道な作品。
そこもまた、64とは違う楽しさ。
有川浩さんの作品って、
登場人物に個性強めのキャラが多く、
こういう団体モノでは特に、
登場人物のパターンがだいたい一緒のことが多い。
でも、それぞれのキャラの、
行間にある心理描写の描き方がとても巧く、しかも丁寧なので、
いつもパターンは一緒だけど、全く違うように楽しめる。
それが一番の魅力だけど、それだけではいつか飽きるよね?
それでも、毎回楽しめるのは、
毎度おなじみのパターンとは別に、
毎度違う「+α」の楽しみがあるからだと思う。
今回は、毎度おなじみの自衛隊モノでも、
広報室を舞台にしているところが、また違った視点で新鮮な
「+α」の部分。
広報視点で描かれるから、
自衛隊っぽいワードがたくさん出てくるのに、
広報室の仕事風景には、全然自衛隊らしい感じはない(笑)
そのギャップが楽しかったりする。
それに、やっぱり俺も男の子だからさ、
例え文字だけでも戦闘機が出てくると、
ちょーーーテンション上がるのよ。
恋や友情の物語もあったりするし、
ページ数も多くて本も分厚いし、とっても読み応えあったよ。
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