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●お話
成人式を迎えても、大人になった実感のわかないアンちゃん。同い年の優秀な「みつ屋」の社員と自分を比べて落ち込んだり、金沢で素晴らしいお菓子に出合って目を輝かせたり。まだまだアンちゃんの学びの日々は続きます。これからもそんな日常が――と思いきや、えっ、大好きな椿店長が!? 和菓子に込められた様々な想いや謎に迫る、美味しいお仕事ミステリー第三弾。
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●感想
主人公のアンちゃんは、
ポッチャリな見た目がコンプレックス。
ドジでノロマで不器用だから、
マニュアル通りに仕事をするのも、
テキパキと仕事をするのも苦手です。
普段からドジは多いし、
見た目が原因でバカにされることも多いため、
基本的にネガティブ思考。
そんなアンちゃんは、
傷つくことが多いので傷つけるのは大嫌い。
だからとっても優しい(臆病な)性格です。
そして、
食べた物の「美味しい(経験)」を語るのが、
唯一の得意技!!
・・・だったりします。笑
俺はポッチャリではないけど、
ドジでノロマでマニュアルが苦手。
それ故のネガティブ思考もアンちゃんと似ていて、
マニュアル通りのやり方が苦手だから、
自分なりのやり方でカバーしている点も同じ。
壁にブチ当たった時にすることも似ているため、
アンちゃんの心理描写には共感しまくりです。
だから、
アンちゃんが意外なところで意外な人に、
ちょっぴり褒(認)められただけでも、
嬉しくなってめちゃくちゃ泣けました
因みに、
今日の感想はちょっとネタバレです
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「ポッチャリさんに、深い緑に花柄の振袖」
主人公が、
嫌々着物を選んで、
仕方なく成人式に出席する。
・・・という話があります。
お店のススメで深い緑色にしたらしいので、
検索してこのサイト(画像)を見つけました。
きっと似合っていただろうなー。
・・・と感じました。
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■甘い世界(第1話)
クリスマス時期に
日本へ訪れた外国人のお客様からの、
「私は宇宙の和菓子を探してまーす。」
こういうの?
・・・と、
お客様に確認してみると、
創作な和菓子ではなく、
今の時期にしか存在しない、
伝統的な和菓子だと言う。
「花びら餅」
平安時代に行われていた
京のお正月には欠かせない
歯固めの儀式を模したお菓子だそうです。
そんな訳で、
正解はコレなんだけど、
どうしてこれが宇宙なのか?
その答えは・・・、
小説を読んでのお楽しみ。
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■こころの行方(第2話)
東京デパートの、
バレンタインフェアにみつ屋も出店することになり、「みつ屋 空港店」から「若手のエース」が応援にやってきました。
エースと主人公でバレンタインフェアを担当することになったけど、「テキパキすぎるエース」と「のんびりすぎる主人公」では全く連携が出来ず、焦った主人公は失敗しまくりで、我慢限界のエースから「あなたは販売員失格です。」と告げられてしまいました。
ところが、
一連の出来事を知った椿店長からは「あなたはデパートの仕事に向いてないわね。」と、まかさのエースが注意をされました。
果たして、
店長の真意とは?
因みに、
本物の和菓子屋さんにより再現された、
劇中のバレンタインの和菓子です。
「こころ」
金柑の甘露煮の中にホワイトチョコの白餡詰め。
「こい」
濃厚な生チョコ入りの桃山。
桃の形がハートに見える。
「懸想文(けそうぶみ)」
平らなねりきりで黄身餡を挟み込んでます。
懸想文とは昔のラブレターです。
「物語(和菓子)」
・・・を売るのが、
和菓子屋さんの仕事なんだよ。
・・・と教えてくれるお話でした。
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■あまいうまい(第3話)
主人公が友達と金沢旅行をする話。
主人公は、大人数での旅行や女子会的な集まりがあんまり好きではない。
・・・と言うのも、大勢になると誰かがやりたいことを我慢して他の人に合わせないといけなくなるし、主人公は我慢をする側が多い。
でも今回の旅行では、自由時間を設けたので、集団での楽しさと個人での楽しさを両立することが出来ました。
「近江町市場のどぐろ握り」
主人公たちが、
どの寿司屋に行ったのかは不明だけど、近江町市場で、人生初ののどぐろに感動していたのが印象的でした。
俺も、近江町市場での人生初ののどぐろにはビックリしました。
「レアンドロのプール」
2巻で話題になった
美術館のプールに訪れるシーンも印象的でした。
3話のメインは、
このお菓子です。
「ゆず巻柿」
奈良県産の平種無柿で作った
「蜜珠柿」を再乾燥させて丁寧に開き、
柚子寒天を中心に巻き上げました。
「巻柿」は、
干柿をアレンジした和菓子です。
2巻で仲良くなった、
みつ屋東京デパート店の目の前にある「K」と言う焼き菓子屋の店員の実家が金沢の和菓子屋で、実家の巻柿は美味しいですよ・・・と教えて貰ったので、金沢旅行の自由時間にそのお店へ買い物に行く。
・・・と言うお話。
なのですが、
争い事が嫌いで相手に合わせることの多い主人公が、その和菓子屋で店員とケンカをしてしまいます。
いったい何があったのか?
・・・みたいな感じ。
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■透明不透明(第4話)
知人から問題を出されたお客様が、
主人公に相談して問題の答え(和菓子)を探すお話。
何度もやり取りして、
「フルーツピークスのパニエシリーズ」
※:店舗販売のみで通販はやってない。
フランス語で籠、バスケットの意味を持つ『パニエ』と名付けたフルーツピークスのゼリー。「旬の果物」の美味しさは勿論のこと、果物の甘味や酸味を一層引き立たせる〝ぷるるん〟としたのど越しのゼリーと贅沢な大きさの果物が特徴的。透明で透き通ったゼリーはゼラチンではなく「海藻由来のアガー」を使用しており、ゼラチンアレルギーの方も安心してお召し上がりいただけます。
最終的に、
主人公の出した答えがコレでした。
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■かたくなな(第5話)
甘い煎餅としょっぱい煎餅の話。
常連のおばさまから、
定例の女子会に出すお菓子を相談され、
いつも上生菓子だから、
「たまにはさっぱりしたモノが良いわね。」
と言う常連のおばさまに、
「瓦せんべい」と「バニラアイス」
主人公は、
みつ屋の瓦せんべいと、
市販のバニラアイスの組合せをオススメする。
「それ本当に美味しいの?」
と言う常連のおばさまに対して、
主人公は意外な答えを返します。
最後、
醤油せんべいと山椒の組合せが出てきます。
探したけど、
市販の商品に、
山椒煎餅はたくさんあるけど、
この小説に合う個性的なモノを探したら、
適当な商品が見つからなかったので、
柿の種の山椒味を紹介しておきます。
「かきたねキッチン-甘だれ山椒-」
※:Amazonでも買えるので1番下にリンクあり。
「甘だれ山椒」はうなぎの蒲焼たれのようなまったりとした甘口の醤油だれと山椒を合わせた王道のフレーバー。コクのある甘いたれの美味しさを「やまつ辻田」の粉山椒独特の華やかな香りと、山椒の持つしびれる辛さが引き立てます。
3巻も面白かった。
4巻はまだ文庫化されてないみたいなので、
文庫化されたら読みたいと思う。
それまでは、
主人公のお母さんが出てくる
「切れない糸」や
元ヤン先輩が出てくる
「ウィンター·ホリデー」なんかを、
(ワーキング·ホリデーの続編)
読むのも良いかもなー。
なんて思ってます。
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