公開日:2021年2月19日
レンタル:2021年8月4日
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●お話
フィンランド北部の田舎に中国・上海からやってきた料理人のチェンとその息子。彼らは恩人を捜してフィンランドまで来たのだった。しかし恩人を知る者はなく、食堂を営むシルカはチェンがそこで働くことと引き換えに恩人探しに協力することを約束。人々は見慣れない料理に戸惑うが、口にしてみるとそのおいしさを認め、食堂は評判に。常連客とも仲良くなっていくチェンだったが、帰国の日が刻一刻と迫ってくる。
~シネマトゥデイより~
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●感想
心に染みる系のミニシアターな映画です。
人によっては退屈かもしれないけど、
俺は結構好きでした。
物語ですが、
主人公は、
(チェンとニュニョ)
男性を捜していて、
この村で最も人が集まりそうな「食堂」で、
この日はフォントロンを知る者が現れなかった。
そんな2人を、
不憫に感じた食堂の女将は、
家の空いてる部屋に2人を泊めてあげる。
そして翌日も、
2人は朝から食堂に行くのだが、
この日は、
中国人観光客を乗せたバスが、
この村の付近で故障をして修理の間、
中国人団体客が、
シルカ食堂で食事をすることになった。
ところが、
この食堂の女将は料理が下手で、
●粘土みたいなマッシュポテト
●味気のないソーセージ
●サラダと言う名前の切っただけの野菜
料理はこれしか作れない。
常連客は当然のように食すが、
舌の肥えた
中国の富裕層を満足出来るはずもなく、
誰も手を付けようとしないから女将は大ピンチ。
そこで、
一宿一飯の恩を返すためにチェンが動く。
実は、
チェンは上海で高級中華料理店の店主だった男。
村に唯一ある雑貨店からかき集めた食材だけで、
見事な料理を披露するとツアーガイドから、
今度からこの店を利用させてもらうよ。
・・・ということになってしまい、
相談の末、
女将がフォントロン捜しを手伝う代わりに、
チェンはしばらくこの店を手伝うことになった。
・・・みたいなお話。
フォントロンとは何者なのか?
この父子はどんな事情を抱えているのか?
なぜ父子だけ?母親は?・・・などなど、
序盤は、
それらの謎に強く惹かれるのと、
この村は、
年寄りばかりの村だから、
チェンは薬膳料理を中心にしていたので、
最初は全く手を付けなかった村人たちも、
中国料理を食し続けるうちに、
心も体も変わっていき、
クチコミで少しずつ客も増えていく。
そんな様子を、
ミスター味っ子みたいに大袈裟ではなく、
リアルなテンションで描いているのが良くて、
見ていてとても心が温まりました。
そして後半、
実は女将も訳ありの女性で、
最初はただの仕事仲間だった2人が、
次第に惹かれ合っていく様子も、
なんだかとっても微笑ましい。
中国人パパが、
誠実で真面目過ぎるシャイな人なのも、
自然な流れな感じがして良いし、
そんな2人を陰ながら応援しようとする、
フィンランドの田舎の村の人々の、
さりげない優しさも、
見ていてとても心地が良かった。
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