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[小説版]八丁堀のおゆう「大江戸科学捜査」・・・感想

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●お話

江戸の両国橋近くに住むおゆうは、老舗の薬種問屋から殺された息子の汚名をそそいでほしいと依頼を受け、同心の伝三郎とともに調査に乗り出す…が彼女の正体はアラサー元OL・関口優佳。家の扉をくぐって江戸と現代で二重生活を送っていたのだ―。優佳は現代科学を駆使し謎を解いていくが、いかにして江戸の人間に真実を伝えるのか…。ふたつの時代を行き来しながら事件の真相に迫る!

~Amazonより~

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●感想

花子さんのオススメの

下矢印時代小説下矢印を読んでみたウインク上差し

時代小説を読むのは久しぶりだけど、
オススメ理由に「読みやすい」とあったのと、

現代人が、現代と江戸時代を

自由にタイムトラベルして事件を捜査する

・・・という設定が面白そうなので、

読んでみました。
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まず、
かなり面白かった
面白かった・・・けどね

 

事前にネットで何人かの感想を見た際に、
江戸時代を舞台にした「科捜研の女」。
・・・みたいに例える人が多かったので、

俺は
科捜研な部分」に期待をしすぎてしまい、
そこに関しては正直期待外れだった。
小説のタイトルにも、

大江戸科学捜査」なんてあるけど、
言うほど科学な捜査はしません。

それに

この物語の主人公「おゆう」を、

科捜研の女の登場人物に例えるなら、

榊マリコでも土門薫でもなく、

蒲原勇樹」です。

 

主人公は
現代と江戸時代を自由に行き来出来る

ミステリー小説好きのOLで、

現代の事件を捜査するのは難しくても、
江戸時代だったら・・・と、

興味本位から捜査に首を突っ込むうち、
八丁堀の同心から頼られるようになってしまう。

・・・みたいな、

いわゆる素人探偵の物語です。

 

現代には

学生時代の友達が、

民間の分析会社で働いていて、
その友達にたまーに、
証拠品をこっそり分析してもらったり、

科学な

アイテムも出てくるけど、

素人が通販等で簡単に購入出来て、
着物にも隠せる大きさのモノ(盗聴器等)を

(見るかると歴史が変わるから)

たまーーに江戸に持ち込んだり、
江戸の難しい単語や仕組みを

現代に帰ってからパソコンで検索する程度で、

捜査にも、積極的に科学を取り入れはしない。

事件の捜査も
主には江戸時代の優秀な同心がしていて、
主人公は、

ミステリー小説で得た知識などを活かし、
その同心の捜査をサポートする的な助手の役割。
捜査が行き詰った時だけ、
分析会社の友達や科学アイテムに頼る感じです。

そんな訳で

分析会社にいる友達の「宇田川」が榊マリコで、

江戸時代の同心「鵜飼」が土門薫だから、

主人公の「おゆう」は蒲原勇樹となります。

でも

この小説の面白さは、

科学捜査や事件のトリックではなく、

ドラマの展開だと思いました。

例えば
科学捜査で得た情報を江戸人に伝える方法。

犯人を特定するのはたやすいけど、

自分が現代人(未来人)なのは秘密なので、

指紋やDNAから得た情報を江戸人に、

どう伝えるのかで苦労する様子は面白い。
もう1つ
事件の裏にあるドラマ。
今回の事件は、
いくつかのドラマが複雑に絡み、
大きな1つの事件になっていて、
その絡みが少しずつ解れていく

中盤以降の展開が、特に面白い。
他にも
主人公「おゆう」と八丁堀同心「鵜飼」との
事件捜査を介して深まっていく恋愛要素。

実はこの小説って、

恋愛要素が物語のメインだったりする。
おゆうと鵜飼の二人には、

それぞれに抱えている大きな謎があり、

その謎が
相手にどういう形で今後伝わっていくのか?
・・・みたいなところが
この小説の面白さだと思います。

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次は2巻のコレ下矢印を読んでみようウインク上差し

 


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