公開日:2019年5月31日
レンタル:2019年11月20日
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●お話
最先端の研究を行う会社に勤務する敦賀崇史(玉森裕太)と、幼なじみの三輪智彦(染谷将太)。ある日、智彦に恋人の津野麻由子(吉岡里帆)を紹介された崇史は、学生時代に並行して走る電車で見て、人知れず淡い思いを抱いていた女性だったことに驚く。一方の世界では、崇史は麻由子と幸せな同居生活を送っていた。しかし、崇史は智彦が消えたことに疑問を抱き始め......。
~シネマトゥデイより~
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●感想
うーーーん
さすがにちょっと・・・これはダメだな。
俺は、
東野圭吾作品の中では、
この映画の原作小説が一番好きだけど、
冒頭の、
肝になる部分の描写がかなり省略され、
映画は小説と違ってパラレル感がない。
この物語の、
主人公「崇史」は、
学生時代に毎週火曜日だけ電車で通っていて、いつも同じ電車の同じ車両の同じドアに立つようにしていたら、いつも同じ時間に並行して走行する電車にも、
毎週必ず、同じ車両の同じドアに立つ女性がいることに気づき、主人公はいつしかその女性に恋をしていた。週に1度、通学時間に彼女を見るのが主人公の学生時代の幸せだったが、そんな学生生活にも、ついに最後の日がやってきた。これまで、彼女からも好意的な視線を何度か感じていたので脈はありそうだし、最後の日は思い切って告白しようと、彼女がいるはずの電車に乗ってみたところ、その日に限って彼女は電車に乗っておらず、こうして主人公の恋は終わりを告げた。
そして数年後のある日、
高校以降ずっと親友で、勉強以外何の取り柄もなく、体に障害もある「智彦」から人生初の恋人を紹介されることになり、親友の人生初の恋人を楽しみに待っていると、その恋人はまさかの、あの電車の彼女(麻由子)だった。
・・・そんなまさか!
驚きとともに主人公が朝目覚めると、主人公の部屋のキッチンで朝食を作る麻由子を見つけ、”あーそうだ!麻由子は俺の恋人だった!”と安堵する主人公。
そう、主人公が見たのは夢だった。
いや、夢だと思っていた。
・・・その日を境に、
麻由子が「智彦の恋人」の世界と、
麻由子が「自分の恋人」の世界とが、
何かのキカッケで何度も入れ替わり、最初は、”おかしな夢を見ているだけだ”そう思っていたが、どちらもやけにはっきりとした世界なので、次第に、どちらも現実の世界のように思えてくる。
・・・そこで、
麻由子が「自分の恋人」の世界にいる時、智彦に会って真実を確かめようとするが、なぜか思うように連絡が取れない。
果たしてこの世界の智彦はいったいどこに行ったのか?そして、どっちが現実で、麻由子の本当の恋人はどっちなのか?
・・・みたいなお話。
このお話、
SFな「ラブストーリー(三角関係の物語)」と思いきや、2つの世界を行き来する主人公が、片方の世界で友達を探しながら、自分はなぜ2つの世界を行き来するのか?どっちが本当の自分の世界なのか?「その謎を解いていく」というストーリー。
このお話で
一番大切なのは、
物語の最初に、
「主人公がパラレルワールドを行き来する」というのをしっかり描写すること。それが出来ていないと、その後の展開が面白くないし、あるシーンでの「こっちが現実か!」の台詞も全く活きてこない。
小説では、
「朝目覚めると世界が変わってる」
・・・という展開が冒頭で何度も繰り返されるため、パラレルワールドっぽさが伝わりやすくなってるけど、
映画では、
「場面が転換すると」
世界が変わるので、世界が変わったことは伝わっても、それがパラレルワールドを描写しているとは分かりづらい。
それに、
小説では物語中盤辺りでオチが見えてくるのに対し、映画ではかなり序盤にオチが読めてしまう台詞があるため、「こっちが現実か!」の台詞も、今更何言ってんの?って思ってしまう。
他にも、
個人的には、
智彦を演じるのが染谷さんなのもちょっと違う気がした。
なんだかお洒落で垢ぬけすぎてるんだよね。小説だと、こんなカワイイ娘と、こんなムサイのがどうして?・・・みたいな描かれ方をしていたけど、映画だと染谷さんがお洒落で垢ぬけてるから、二人が恋人でも全然違和感ないんだよね。
まあでも、
原作を知らなければ、それなりには楽しめるのかな?
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