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●お話
母親が家を出てしまい置き去りにされた11歳のトモ(柿原りんか)が、おじのマキオ(桐谷健太)の家を訪ねると、彼は恋人リンコ(生田斗真)と生活していた。トランスジェンダーのリンコは、トモにおいしい手料理をふるまい優しく接する。母以上に自分に愛情を注ぎ、家庭の温もりを与えてくれるリンコに困惑するトモだったが……。
~シネマトゥデイより~
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●感想
レンタルしました。
この映画に流れる空気がとても心地良かった。
桐谷健太さんが、珍しい役柄に感じました。
どちらかと言うと、流されるままに生きていく・・・みたいな、おっとりとした、口下手ではないけど、あまり口数の多くない役どころ。
名前は「マキオ」くん。
そして、生田斗真さんが凄い。
トランスジェンダーの役ですが、髪形や化粧で、一見してキレイな女性に見えなくもないのが、さすがジャニーズ。でもやっぱり、身長だったり骨格だったりで、ん?この人もしかして男性?・・・と思わせる、すごく絶妙なキャスティング。仕草なども、過剰に女性らしさを演じていないのが、個人的にリアリティがあり、好感触でした。
老人ホームで働く介護士で、職場では普通に女性として仕事をしているけど、それを誰も好奇な目で見ていないのが、こういう仕事ならあり得るかも?と思わせる。
名前は「リンコ」さん。
二人は恋人で、そんな二人の下へ、マキオの小学生の姪が居候にやってくる。マキオの姪は母子家庭で、母親は男に寄り添ってないと生きていけない寂しん坊だから、常に、娘より恋人を優先し、毎食コンビニおにぎりで、たまに失踪しては数か月後にフラれて帰ってくる・・・を繰り返す。
姪の名前は「トモ」。
トモは、同級生がゴシップ好きなのに母親がだらしないので、周囲への反応には過敏。だから、最初はリンコさんを毛嫌いするけど、自分の母親より、女性らしくて母親らしいリンコさんに、次第に心を開いていく。
そんな、マキオくん、リンコさん、トモの3人は、贅沢は出来ないけど、一緒にいるといつも楽しそうで、その姿はまるで理想の家族像。
この映画は、
そんな3人の、基本的には何でもない日常を描いているだけだけど、3人の中にリンコさんというちょっと変わった人が存在することで、周囲が、その何でもない日常をかき乱す・・・みたいな話。
因みに、
俺にとって人生とは、小さな不幸(苦労)ばかりの日々を、たまに小さな幸せで癒されるから、頑張れる・・・みたいなことだと思っている。この映画の3人の人生も、まさにそんな感じに思えて、なんだかちょっと共感しました。
ただしこの映画では、小さな不幸ばかりの日々ではなく、たまにある小さな幸せをクローズアップして見せているような印象で、一見して幸せそうな映像が多いからほのぼの出来る。しかし、そんな映像が多くても、その裏に、並々ならぬ不幸(苦労)があることも、しっかりと垣間見れるので、ほのぼのシーンには、一層癒されるんですよね。
この画像にある
「カタチなんて、あとから合わせればいい」は、劇中にそんな台詞が出てくる訳ではありませんが、この3人にピッタリの、とても素敵な言葉です。まさに、そんな映画でした。
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