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●お話
巨大ドームで偽装された平和を守るために、姫香は巨大ロボと共に戦う日々を送っていた。だが、ロボは情緒不安定になり、ついに機能停止に陥ってしまう……!!そして現れる、謎の2号機。迫る新たな敵「ハウンドマスター」。姫香はロボの心と正面から向き合う決意をするーー。
~講談社コミックプラスより~
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●感想
これ、好きなんだけど、どう伝えれば、これの不思議な面白さが伝わるのかよくわからない。全2巻ではあるけれど、物語の重みを考えると、むしろこのくらないがちょうど良くも感じる。
死にたいロボットと、パイロットには不向きなか細いドジな少女との、淡い恋の物語です。
地球は宇宙人に支配されていて、生き残った人類は数百人ごとにドームに閉じ込められ、研究標本として世界各地で、日常の生活を観察されている。ところが宇宙人の中には、その(地球人を研究標本にする)制度を良しとしないものもいて、ドームを破壊しようとするものがいるため、そういう宇宙人と戦うために、
こういう護衛のロボットが存在する。
名は「アルヴ・ティグリス」。
意志を持ち感情もあるロボットなのに、人間が乗らないと、自分の意志では動くことが出来ない。ドームの守護を、もう何百年と続けていて、その間、何百人とパイロットが代わっているため、次々変わるパイロット達の死を嘆き、戦うことを苦しみ、自らの死を望んでいる。
なんとなく、鬱のゴッドマジンガー。
彼女はこのロボットのパイロットに新たに任命された「左京姫香」。
このマンガの主人公。
パイロットになるには適性があるらしく、ドジでノロマで貧血気味で、性格も優しくおっとりしていて戦闘向きではなく、とてもじゃないけど、ロボットのパイロットには向いていない。それなのに、なぜかその適性をパスして強制的にパイロットにされてしまった。
そんな、死にたいロボットと、優しくて一生懸命だけどドジな少女の、戦闘を通じての交流を描くのが1巻。
ところが、精神的に無理して戦い続けたロボットさんは、2巻でついに精神が崩壊。思考も機能も停止していまう。
そんなタイミングを狙って、ドームとパイロットを、それぞれ狙う刺客がやってくる。
ロボットさんは、リセットして再起動(記憶も消去)しないといけないが、それには非常に危険な作業が伴う。でも姫香は命懸けで、そんなロボットさんをリセットしようと懸命に動く。なぜなら、どうやら、ちょっとだけ、ロボットさんに恋をしているから。そしてリセットは無事成功し、再びともに戦う中で、少しずつ意思が疎通していき、ロボットさんはちょっとだけ記憶が蘇り、そしてちょっとだけ、心が晴れていた。
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