公開日:2023年11月10日
レンタル:2024年4月24日
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●お話
廃れつつあるピンク映画業界で生きる監督の栩谷は、もう5年も映画を撮れずにいた。梅雨のある日、栩谷は大家からアパート住人に対する立ち退き交渉を頼まれる。その男・伊関はかつて脚本家を目指していた。栩谷と伊関は会話を重ねるうちに、自分たちが過去に本気で愛した女が同じ女優・祥子であることに気づく。3人がしがみついてきた映画への夢が崩れはじめる中、それぞれの人生が交錯していく。
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●感想
この映画は、
まるで、
毎日が止まない雨の日ような、
長い期間水の中にいて腐った食べ物のような、
そんな、
2人のダメ男の物語。
この2人は偶然出会ったダメ男同士。
ところが、
出会ったその日に、
自分たちがなんとなく、
同じ波長であることを感じ合い、
俺の、
別れた女との生活が、
ちょっと変わってたんだよね。
・・・と、
互いに愚痴(女との失敗談)が止まらなくなる。
この映画は、
2人がただただ愚痴り合う。
本当にただそれだけの物語です。
それなのに、
2人の設定が変わっていて、
演出も巧いので、
なんだか妙に興味深く感じる。
みたいな映画
因みに、
2人の彼女は同じ女。
要するに、
元カレ(綾野剛)と、
元元カレ(柄本佑)。
・・・なのだけど、
女性の、
考え方や性癖が変化していることもあり、
まさか自分たちの恋人が、
同じ女とは気づかないまま会話が進んでいく。
そこもまた面白い。
しかも、
この映画はR18+。
2人がピンク映画に
関わる仕事をしているのもあり、
これよりもっと
すごいシーンがたくさん出てくる。
とは言え、
こんなシーンがあるから興味深いのではなく、
面白いのは、
生きる気力のない
現在は「モノクロ」画面。
少しは頑張ってた
過去の方が「カラー」画面。
普通は逆で、
現在はカラーで過去をモノクロにしがち。
でも、
逆は見たことないから新鮮だったし、
2人の死んでるように生きてる感じと、
モノクロ画面がめちゃくちゃシンクロしてます。
ゴジラの、
オルソやマイナスカラーとは、
また違ったモノクロの使い方で、
面白いと言うより、
興味深い映画だった。
女優の時の芸名は「さとうほなみ」さん。
水原希子さんとの映画では、
ヌードや大胆な演技を披露してましたが、
この映画でも、
負けずに大胆な演技を披露してました。
因みに②、
タイトルの「花腐し(はなくたし)」とは、
きれいに咲いた
卯木(うつぎ)の花をも腐らせてしまうという、
じっとりと降りしきる長雨のこと。
・・・だそうです。
これが卯木の花。
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R18+の映画なので、
Amebapickを普通に貼れない。
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