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●お話
落ちぶれた貴族のように、
惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。
孤児となった十歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。
そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、
花の結婚から二人の過去へと遡る。
内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた
禁忌を圧倒的な筆力で描く。
第138回直木賞受賞作。
~BOOKデータベースより~
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●感想
浅野忠信さん、二階堂ふみさんで映画化され、
モスクワ映画賞を受賞した映画の原作で、
直木賞を受賞した小説です。
TVの映画コーナーで紹介されていたのを見て内容が気になり、
まずは原作を読んでみました。
「物語(小説)」
物語は、ヒロイン腐野花の結婚から始まるのですが、
花は一見、キレイだけど地味な女の子。
でも、花の性格や考え方、花の義父や家庭環境など、
本当は、何もかもが異常なんです。
それを隠すために、花は地味を装っているんです。
ではなぜ?
●花の性格や考え方が異常なのか?
●花の義父が異常なのか?
●花の家庭環境が異常なのか?
・・・と言うのを、
大人になった花からスタートして、
章を重ねるごとに少しずつ時代を遡り、
最終的に二人の出会いへと辿りつくのですが、
パズルの枠に少しずつピースをはめていくように、
少しずつ、異常な謎が解き明かされ、全貌が見えてくる。
・・・そんな内容になっています。
ただ、サスペンスモノのように、
はっきりと、この時こうだった!と
謎が判明していくのではなく、あえて、
少しボカし気味の表現になっているのが特徴かな?
・・・と思います。
「物語(映画)」
私はまだ見てないので、見た人の感想によると、
小説とは逆の見せ方になっていて、
二人の出会い、
花が子供の頃から始まり、
花が大人になり、
結婚で終わる内容となっているらしく、
見せ方が逆になるだけで、
物語の見え方が、
原作とは全然違ってくるようです。
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●感想続き
う~~~ん・・・なんていうのだろう?
面白かったけど、
TVの映画紹介を聞いて想像した内容とは違いすぎて、
そのギャップで、私は素直に楽しめませんでした。
私はTVの紹介を聞いて、
本来は平凡で、ごく普通の男と女として生涯を終えるはずの二人が、
震災で受けた大きな心の傷の影響で、
二人とも、心の傷を癒す「強烈な何か」が必要になり、
(義理ではあるけど)親子なのに深く愛し合ってしまう。
・・・的なモノを想像していました。
が、しかし、
二人が愛し合うのは震災の影響ではないんですよね。
震災は、あくまでも二人が出会うキッカケです。
歪んだ「愛」を描く物語・・・というより、
変人親子の生涯・・・って感じかな?
でも、これが映像になったのを想像すると、
浅野忠信さん、二階堂ふみさんの演技は見物ですね。
映画は是非見てみたいと思います。
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私の男[小説版]・・・感想
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