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●お話
罪を犯した者や非行歴のある者の更生、社会復帰を助ける保護司の阿川佳代(有村架純)は、さまざまな「前科者」のために日々奮闘していた。彼女が保護観察を担当する男で、職場のいじめにより同僚を殺害した過去のある工藤誠(森田剛)は、実直な生活態度で社会復帰も間近と見られていた。しかし、彼はある日突然姿を消し、再び警察に追われる身となってしまう。一方そのころ、街で連続殺人事件が発生し、捜査の進展につれ佳代の過去が明らかになっていく。
~シネマトゥデイより~
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●感想
刑事ドラマにも時々に出てくる
「保護司」のお話だけど、
保護司にまつわる物語と言うよりは、
とある殺人事件を、
刑事の視点ではなく保護司の視点で描く。
・・・みたいなお話でした。
そして、
評判通りの、
とても良い映画だった
TVドラマで、
一般人が事件の謎を解いていく
2時間サスペンスってあるでしょ?
あれってコミカルな内容が多いけど、
あれを、
シリアスな視点でリアルに描いた物語。
・・・みたいな感じ。
保護司って、
とっても大変な仕事なのに報酬はないんだね。
そう言う意味では、
俺のやってる「地区の役員」の方がまだマシか?
・・・と感じた。
主人公は、
過去のトラウマや経験から、
保護司になることを夢にみて、
その「夢を叶えた」人物。
そんな無償の保護司(夢)をがんばるために、
緊急な呼び出しにもある程度融通の利く、
コンビニで働いている女性。
原作だと、
主人公は借金のために、
コンビニ店員と新聞配達員を掛け持ちしていて、
コンビニの店長はかなりの変人で、
主人公の保護司の仕事にも理解がない。
・・・みたいな感じらしいけど、
映画では、
収入源となる仕事はコンビニ店員のみで、
借金の有無は不明だし、
コンビニの店長も普通の人で、
主人公の仕事にも理解のある感じでした。
主人公にとって、
保護司とは夢のお仕事なので、
他の保護司のように事務的な対応はせず、
自分の担当する元受刑者達のために、
自分の時間を犠牲にして、
(法律や規則はしっかり守った上で)
必要以上に寄り添うし、
元受刑者が更生をするためならば、
どんな時でも、
全力で走っている姿が印象的。
とにかく一生懸命で、
ドジなところも不器用なところもある人だけど、
そんな人が無理をして一生懸命頑張ってるから、
「しょうがねーなー。俺(私)も少しはがんばるよ!」
・・・みたいな気分にさせられる。
そんなある日、
主人公が保護司を担当する管轄内で、
交番警官の拳銃が強奪され、
その拳銃で殺人事件が発生した。
刑事が捜査を進めていくと、
(マキタスポーツさんが良い味出してた)
主人公の担当する
元受刑者の一人が容疑者として浮かび上がる。
しかし、
その元受刑者は、
主人公が担当する中では、
誰よりも真剣に更生を目指している人で、
その姿は嘘に見えないし、
そんな人が警官から拳銃を奪うとは思えない。
とは言え、
警察が動き出して以降失踪しているし、
状況はその人物が犯人であることを示している。
・・・でも、
自分の目で確かめるまでは信じられない。
と言う訳で、
主人公自身で、
その元受刑者を捜すために、
元受刑者の過去を調べていく。
・・・みたいなお話。
演技の巧い俳優さんが多くて、
とっても良いお話で感動もしたけど、
唯一残念だったのは、
とってもリアルなキャラ設定や世界観の中で、
主人公だけは、
現実離れした作り物みたいな感じがあり、
漫画的なキャラ設定だったので、
その存在がちょっと浮いていて、
それを少しだけ残念に感じました。
と言っても、
有村架純さんが悪いのではなく、
この世界や物語がリアル過ぎる反面、
有村架純さん演じる主人公の、
髪形、化粧、衣装も含めて、
「キャラ設定」が作り込まれ過ぎている。
みたいなところがほんの少しだけ
「不自然」で「違和感」でした。
TVドラマなら気にならないだろうけど、
映画なのでちょっとだけ気になりました。
でも、
感動のあるとても良い映画でした。
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