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Channel: 魔神機兵団の日記
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偉大なる、しゅららぼん (集英社文庫) ・・・感想

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偉大なる、しゅららぼん
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●お話
高校入学を機に、
琵琶湖畔の街・石走にある日出本家にやって来た日出涼介。
本家の跡継ぎとしてお城の本丸御殿に住まう淡十郎の
“ナチュラルボーン殿様”な言動にふりまわされる日々が始まった。
実は、日出家は琵琶湖から特殊な力を授かった一族。
日出家のライバルで、同様に特殊な「力」をもつ棗家の長男・
棗広海と、涼介、淡十郎が同じクラスになった時、
力で力を洗う戦いの幕が上がる…!
~BOOKデータベースより~
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●感想
いや~~なかなか面白かったな。

万城目さんの作品って、
ハマルか、ハマラナイか、
楽しいか、楽しくないか・・・なんだよね。
・・・真ん中がないんだよ。

今回のはハマリました。

どうやら、
遥か昔より琵琶湖には不思議なチカラが存在し、
琵琶湖畔には、その不思議なチカラを授かった一族が存在する
・・・そういうことらしい。

その一族は、主人公のいる「日出一族」と、
先祖代々ライバル関係にある「棗(ナツメ)一族」。
日出一族は相手の考えを操る能力を持ち、
棗一族は相手の動きを止める能力を持つ。
どちらの能力も1VS1でしか発揮できない。
・・・など、能力発動にはいろいろなルールがある。

そのため、戦国時代は棗一族が勢力を伸ばしていた。
相手の動きを止めて斬れば無敵だったから。
しかし、戦国の世が終わり、商いが支配する世になると、
今度は日出一族が勢力を伸ばし始めた。
客を買いたい気持ちにさせ、必ず買わせることができたから。

そうやって勢力を伸ばしていった日出一族は、
やがて、琵琶湖周辺を治める存在とまでなっていた。
・・・それが「淡十郎」の祖父の話。

日出一族には、
16歳になると本家で能力の修行をする・・・という慣わしがある。
無事に修行を終えると、その能力を活かした仕事に就くことになる。
主人公「涼介」も、それにならって本家へ修行にやってきたのだけど、

日出の本家は、現代においても、
まるで殿様のような生活を送っている。
家にお手伝いさんがいたり、子供にも送迎があるのは当たり前だが、
学校の校則なんて、日出一族にはあってないようなもの。
主人公と同級生で、長男の淡十郎は、
自分に攻撃してきた相手や、自分の気に入らない相手には
能力は使わず、(父親の)金と権力に物を言わせて、
徹底的に叩き伏せる。

●要するにね、
序盤は日出本家の、まるで
こち亀の中川的な異常すぎるセレブっぷりや、
淡十郎の、まるでバカ殿様か?と思うほどの
非常識な生活が面白可笑しく描かれ、
他にも、
ライバル棗一族の末裔が同級生で、しかも同じクラスなので、
日出一族と棗一族の子供同士でもいがみ合いがあったり、

中盤以降は、
日出一族、棗一族を脅かす新たな能力者が現れ、
日出一族も棗一族も琵琶湖から追い出されそうになります。
琵琶湖から能力を授かっている両家は、
琵琶湖から離れると、生涯能力を失ってしまう。
でも、今更両家が手を組むなんて不可能だし、
そもそも、その能力者が強すぎて誰も太刀打ちできない。
さあ、どうしよう??
・・・的なお話で、
後半は、少年ジャンプ的な友情の物語になっています。

なかなか楽しめたし、映像にしたらもっと楽しいだろうなぁ。
・・・と思えたので、映画をDVDで見るのが楽しみになりました。
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