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Channel: 魔神機兵団の日記
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Girl/ガール・・・感想

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公開日:2019年7月5日

レンタル:2020年4月3日

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●お話
15歳のトランスジェンダー、ララ(ヴィクトール・ポルスター)は娘の夢を応援する父(アリエ・ワルトアルテ)に支えられ、バレリーナを目指して難関のバレエ学校への編入を果たす。それと同時にララが待ち望んでいたホルモン療法も始まるが、効果はなかなか現れなかった。それでも夢のためにバレエに没頭し、そのかいもあって先生の目も少しずつララに向けられるようになる。
~シネマトゥデイより~
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●感想

序盤の静かな展開から想像したよりは、

意外と見応えがあり、

考えさせられる内容で、

まあまあ良かったです。

 

これはベルギーの映画で、
トランスジェンダーの男性が、
国内でも有数のバレエ学校へ入学し、

プロの、

バレエダンサー(男性)ではなく、
バレリーナ(女性)を目指して

奮闘する姿を描く。
・・・という物語。

 

主人公が、

え?本当にこれ男性?

というくらい自然にキレイで、

 

3人並んでいる、
向かって左側が主人公だけど、
パッと見は女性にしか見えない。
でも、
よーーーく見ると、
胸の筋肉とか骨格で、
男性であることがわかる。

 

バレエも上手だったし、
よくこんなに、

役にピッタリな俳優さんを

見つけたもんだ。

 

この映画の面白いところは、

 

この手の映画は普通、
男性が女性になろうとしていることに対し、
周りに理解されずに嫌悪感を抱かれ、
イジメに遭ったり、
男性に戻そうとあれこれ画策されたり、

恥ずかしいから家から出るなと言われたり、
そんな感じで悩み苦しむ。
・・・というような展開が多いですが、

 

この映画の場合、
主人公は周囲に、

比較的理解をされています。

 

実際には、
今の環境に辿り着くまでに、
様々な苦労もあったようですが、
少なくとも今は、

比較的恵まれた環境のように感じます。

 

例えば、
主人公は父子家庭で、
そう遠くないうちに

性転換手術を行う予定があり、
それは父親も公認で、
定期的な通院にも
父親が毎回付き添っています。

 

それにそもそも、
国内有数のバレエ学校に、
バレリーナ(女性)として

入学出来ている時点で、
周囲の理解も、国の理解も、
日本とは大きく異なる気がしました。
それに、体は男性のままだけど、
更衣室は女性側を利用しています。

 

この映画での問題は主人公の気持ち。

 

体がまだ男性のままなので、
そんな自分の体が、
病気で醜い姿にでも
なっているかのような精神状態で、
主人公は自分の見た目で
男性らしさを感じさせる部分を、
例え家族にも、
他人には一切見られたくない。
・・・と感じている。

 

なので、
周りは女性として見ているし、
周りは男性的な部分があっても

あんまり気にしていないのに、
主人公が気にしてオドオドするから、

(気にするなというのは無理だろうが)
周りはそのオドオドが気になってしまう。

そして、
オドオドを気にする周りの反応を見て、
主人公は一層オドオドする。
・・・という悪循環。

 

その上、
バレリーナとしての才能はあるけど、
まだ舞台に立てるほどではなくて、
練習にも苦労をしていて、

 

だからこそ、
少しでも気持ちを楽にしたくて、
早く体を女性にしたい

という思いが一層強くなる。

それなのに、
手術に向けての治療が

思うような効果を得られず、

医師からも「手術GO」のサインが
なかなか出なくて余計に焦る。

 

そんな感じで、

 

主人公の苦悩する姿には、
悩みは違うけど共感できる部分があるし、
苦悩する様子は見ていて辛い気持ちもある。

だけど、
周りに助けてくれる人が多いというだけで、
見ていて安心する部分もあって、
助けてあげたいなー・・・。
という気持ちになりました。


見応えのある映画でしたが、
ラスト一歩手前だけは、
背筋の凍る衝撃がありました。
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