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●お話
パーティ・コンパニオン小田香子は恐怖のあまり声も出なかった。仕事先のホテルの客室で、同僚牧村絵里が、毒入りビールを飲んで死んでいた。現場は完全な密室、警察は自殺だというが…。やがて絵里の親友由加利が自室で扼殺され、香子にまで見えざる魔の手が迫ってきた…。誰が、なぜ、何のために…。ミステリー界の若き旗手が放つ長編本格推理の傑作。
(「BOOK」データベースより)
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●感想
この小説は、
東野圭吾の20年くらい前の作品。TSUTAYAの既刊発掘プロジェクトで新装版が発売されました。表紙が東野圭吾っぽくないのと、読んだことのない作品だったので購入してみました。
カバーが2重になっていて、右側のカバーを外すと、左側の通常カバーが出てきます。
昔の東野圭吾作品って、
TVの2時間サスペンス的な、ちょっとわざとらしい展開や唐突に展開することが多い気がします。
そんなサスペンスドラマをロボットアニメ風に例えると、映画のサスペンスはリアル系な面白さが多く、TVドラマはスーパー系みたいな面白さが多いように感じており、この作品にもスーパー系に似た面白さを感じました。
「物語」
主人公「小田香子」の仕事はパーティコンパニオンで、パーティコンパニオンとは、高級ホテルで開催されるVIP向けパーティ専門の派遣ウエイトレス・・・みたいな仕事。そんな香子の夢は玉の輿に乗ることで、最近ある会社のパーティに必ず出席する高見俊介(高見不動産の専務)という将来有望の独身男性に目を付けていた。そして今日は、久々にその会社のパーティの仕事。上司の目を盗みながら高見にさりげなく接触する作戦も成功し、その日のパーティ後に2人で会う約束も取り付け、先に仕事が終わった香子は、パーティ後にホテルで打合せがあるという高見の仕事が終わるのをホテル前のカフェで待っていた。ところが、しばらくするとホテルが騒がしくなり、まだホテルに残っていた高見からの電話で、香子の同僚「牧村絵里」の死を知る。最後に控室を出たのが香子と絵里の二人だったため、香子も警察から事情聴取を受けた。
その後、高見とのデートは実現されたものの、会話の流れから、高見がホテルでの事件を非常に気にしている様子を察する。そして、そんな奇跡的なタイミングで、香子を事情聴取した刑事の「芝田」が、香子の隣室に引っ越してきた。事件を気にしていた高見に会う口実を作りたくて、挨拶がてら事件の話を聞くと、状況から自殺でほぼ決まりとのことで詳細に教えてもらうことが出来た。
どうやら絵里は、派遣会社の社長と秘密の恋をしていたが、社長にはもう一人恋人がいて、絵里は三角関係に悩んでいたらしく、あの日の仕事後も、一旦香子と帰った振りをして控室で密会する約束をしていたそうだ。ところが、社長が部屋に着くと絵里は死んでいた。現場は密室で、争った形跡もなく、毒死であることから、痴情の縺れによる自殺・・・というのが警察の判断だった。しかし、香子も含め仕事仲間の多くが絵里と社長の恋人関係を信じられないとしていて、芝田も捜査陣の中で唯一自殺を疑っており、独自で捜査を続けようと考えていた。香子にとって絵里は最も仲の良い仕事仲間だったこともあり、話の流れから、2人で事件を調べることになる。そして、絵里のことを詳細に調べていくうち、この自殺に、意外な事件が関わっていることが判明するが、事件を執拗に気にする高見とはいったい何者なのか?
・・・というお話。
このお話、
次々と、小さい不思議な謎が沸いてくるけど、犯人が誰なのかも、事件の全貌も、なかなか見えてこない。点が増えるばかりで、なかなか線にはならないが、謎が増えるのと比例して、何と何がどう繋がるのだろう?みたいなワクワクも溢れてくるので、読んでいてとても楽しかったよん。
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あと、
全然関係ないけど、なんとなく(笑)
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